グナとは?サットヴァ・ラジャス・タマス——ヨガ哲学が語る心と体の3つの力
- Ken

- 9 時間前
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こんにちは、Kenです。
今日はなぜか、些細なことでイライラする。かと思えば、翌日は理由もなく体が重くて、ヨガマットの上に座る気力さえ湧かない。でも、たまに驚くほど頭が澄んでいて、呼吸も姿勢も、すっと整う日がある——。
こうした心と体のムラを、私たちは「今日は調子が悪い」「たまたま調子がいい」という、ただの偶然として片づけがちです。
けれど、ヨガのクラスやSNSでは、こうした揺れを説明する言葉として「グナのバランスを取る」という表現をよく見かけます。
この記事では、そもそも「グナ」とは何かという基本から、ヨガ哲学の土台にあるサーンキヤ哲学がこの考え方をどう位置づけているのかを、わかりやすく解説します。
グナとは何か——一言でいうと
グナ(guṇa)とは、もともと「糸」や「力」「傾向」を意味する言葉です。
この世界は、性質の異なる3つの力が織り合わさってできている——グナ理論の根底にあるのは、そういう発想です。
興味深いのは、この概念がヨガの伝統の中でもかなり古くから語られてきたにもかかわらず、ヴェーダという最古層の文献には見当たらないという点です。
グナという言葉と3つの力の体系が本格的に姿を現すのは、もう少し後の時代、ウパニシャッドと呼ばれる文献群においてだとされています。バガヴァッド・ギーター、特にその第13章・第14章・第15章・第18章では、この理論がかなり詳しく展開されています。
サーンキヤ哲学という土台
グナ理論の存在論的な土台になっているのが、サーンキヤ(sāṃkhya)という哲学体系です。
サーンキヤという言葉自体、「数える」「列挙する」という意味を持ちます。人間の意識の経験を手がかりに、この世界を構成する要素を一つひとつ数え上げ、体系立てて理解しようとしたところから、この名前がついたと考えられています。
サーンキヤ哲学の中心にあるのは、プルシャ(puruṣa)とプラクリティ(prakṛti)という2つの原理の二元論です。
プルシャは、しばしば「精神」や「意識」と訳されます。不変・不動・永遠であり、変化することのない、純粋な意識そのもの——いわば、あらゆる経験をただ静かに見つめている「観照者」に近い存在として描かれます。
対するプラクリティは、根本原質と訳されることの多い原理です。物質世界のすべて——身体も、感情も、思考の働きも——は、このプラクリティが姿を変えたものだと理解されます。
そして、このプラクリティが変容していく過程を組織づけているのが、まさにサットヴァ・ラジャス・タマスという3つのグナなのです。
サットヴァ・ラジャス・タマス——3つの力の基本
サーンキヤ哲学において、まず紹介しておきたいのがサットヴァ(sattva)です。
何かが本当にその通りにある状態、純粋さ、明晰さ、そして最適化された状態——それがサットヴァのイメージです。ただし、サットヴァは一度手に入れたら永遠に続く固定的な状態ではなく、絶えず崩れたり劣化したりする危険にさらされている、繊細な状態でもあります。
もう一つの力がラジャス(rajas)です。ラジャスはエネルギッシュで、活動的で、時に騒々しく、破壊的でもあります。変化を推し進める力ではあるのですが、その変化はしばしば不穏で、落ち着きを乱す力でもあるのです。
そして3つ目がタマス(tamas)です。あらゆるものを遅らせ、鈍らせる力で、エントロピーや劣化、暗さと結びつけられます。動きが足りない、活気がない、といった状態です。
この3つの力を日常の具体的なイメージで説明するのに、ギーターの中では食べ物を三分類する例えがよく使われます。太陽の下に放置すると腐って臭くなってしまうような食べ物はタマス的だとされ、唐辛子のように私たちを熱くさせ、イライラさせ、エネルギーを湧き立たせるような食べ物はラジャス的だとされます。
1つの気づき——あなたの「今日の調子」もグナで説明できる
こうして並べてみると、冒頭で触れた「今日はやけにイライラする」「なぜか体が重い」「驚くほど頭が冴える」という心身の揺れが、少しずつ輪郭を持って見えてきます。
イライラや落ち着きのなさはラジャス的な状態、体の重さやだるさはタマス的な状態、そして澄んだ集中はサットヴァ的な状態——グナ理論は、こうした私たちの実感を説明する一つの枠組みになりうるのです。
しかし、ここにはもう一段深い問いがあります
ここまでで、グナの基本的な仕組みはご理解いただけたと思います。
ただ、ヨガのクラスやSNSでよく聞く「グナのバランスを取る」という言葉——これを伝統的な注釈書の読み方に沿って、もう少し丁寧にたどっていくと、実は少し違う景色が見えてきます。単純に「バランスよく」という理解だけでは説明しきれない、もう一段深い問いがそこにはあります。
この続きは、note記事「私たちがよく聞く『グナのバランス』——ヨガの伝統をたどると、少し違う景色が見えてくる」で詳しく解説しています。
ではまた。 Ken

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